まずは「シャリ」ですな。保存が主体の関西寿司は、酢に塩だけの江戸前と違い砂糖を使います。それでかなり濃厚な味になります。和食では薄味主体の関西、濃い味の関東ですが、寿司は逆って訳で面白い。
(*現在は西も東もなく全国的に砂糖主体の味でほぼ統一されてます)
関西寿司って言えば太巻きと箱寿司が浮かびますね。こいつは言葉よりも実際に目で見なくちゃ面白くない。そいで明石で仕出し屋を50年以上続けてる職人さんの店がありますんで、その店『仕出し 米長』の商品を紹介しながら見ていきましょう。
バッテラ・箱寿司
バッテラはサバの押し寿司って意味で使われますけども、今は押し箱(テラ箱)自体をバッテラと呼びますし、サバに限らずバッテラで圧して長角に抜き、甘酢で味をした白板昆布・テラ昆布(酢をきかせる事で腐敗防止になり保存性を高める)を乗せた寿司を全般的にバッテラといってますね。もともとポルトガル語だそうで小船を意味してるそうです。コハダやサバの押し寿司の形が小船をイメージさせたんでしょうな。
普通に『さば寿司』と呼ぶのは箱を使わない『棒寿司』を指していまして、お頭付きの姿寿司もこの種です。サバの他鮎や小鯛などがありますね。これは布巾で巻き込むだけで形を整えます(最近はラップをよく使います)
こいつが押し箱、名称は「バッテラ」です。通称「テラバコ」

充分に水を吸わせたバッテラ箱の水気を拭き、凹面を下にし、こうしてネタを並べおきまして、シャリを8〜9分詰めて蓋をして、その蓋の左右の取手を押さえて全体重を乗せて押し、左右を返してまた体重をかけて押します。左右に押しムラができないようにする為です。
『米長』はこだわり職人の店、バッテラと箱寿司を分けているようです。
これは、身を削いで形成したいわゆるバッテラ

これは片身をそのままつけたサバ箱寿司
いい具合ですなぁ、
テラコブには利尻を使ってるし美味しそうだ。
流行の焼き鯖箱寿司もあります

そして明石って言えばタイですが、
もちろん鯛も押してます。

しっかり昆布で〆て鯛の旨味を引き出してあります。
これはキングサーモン箱寿司
焼き穴子箱寿司も定番ですねぇ

焼き穴子は冷めたら固くなりますので、
薄くへいで食味を損なわない配慮もしています。
↓
太巻きもやはり関西のは一味違います。
なにしろ具が美味そうだ。質実剛健ってのも関西の持ち味。
西の職人さんは巻き手が速い。トントンって感じで次々巻いていく動作に無駄がないですね。さすがに本場です。


オボロコンブを巻き寿司用に形成したもので巻いた太巻き
この昆布は築地は勿論全国で入手できます。
なんか見てるだけで口の中に酸味が湧いてきて、モグモグと寿司を食べてる気分になってきました。シャリが余ってないか急いで板場を見てきます(笑
仕出し 米長 案内
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私は仕事の関係でテキサス州のダラスと言うところに住んでいますので気軽に築地に行くことができないんですが、自分でサバの押し寿司を作るために白板昆布を友人にお願いして持ってきてもらったことがあります。
素人は作る押し寿司でも白板昆布を乗っけるだけで旨さが本格的になったような気がするのは錯覚でしょうかね?わはは。
おいしい箱寿司でアメリカの人を驚かして下さい(^_^)
ダラスはアメリカの真ん中とは言いませんが一番近いところでも海まで500kmは離れていますので、新鮮な魚を手に入れるのが結構むずかしいんです。
たまに中華系のスーパーでメキシコ湾のアジやサバが出るときがあるので、それ使って色々やりくりしていますが、残念ながら鮮度に関しては日本に比べかなり劣っていますね。
これは距離の問題ではなく、その魚を取る漁師の手当てや流通過程に問題があるんじゃないかと思っています。
最近こちらでもSushi Barが増えて、どのアメリカ人でもSushiやSashimiを知るようにはなったんですが、スーパー等で売っている魚を生食する文化は日本人以外ほとんどいませんからねぇ。
実際自作の押し寿司だって、おいしいのが売っていないから「んじゃ、自分で作ろうか!」というのが最初の動機ですから。(とはいえ作るのはすごく楽しいです。)
長くなりましたので、こちらの日本食事情などはまた別の機会にコメントさせていただきます。
ではでは!
寿司と和食は世界に広まりつつあります。
しかし真髄は残念ながら日本でしか食べられません。
その事を国内に住んでる日本人が忘れがちなのはなんとも寂しい現実です。
このブログは海外からのアクセスがかなり多いです。
この事実は、日本を離れてみて初めて日本料理の良さが理解できるってことの証左ではないでしょうか。
和食は問題も色々あるにせよ、日本人の心の故郷なんです。
その事に国内にお住まいの方々に気が付いてもらいたい。
それが願いです。
おいらのアメリカ経験からですが、確かに鮮度や魚の扱いに問題はあるものの、サバ科やアジ科の魚は場合によっては日本より美味しいのがあるという感触をもっています。
料理法いかんですごく面白いことになりますよ(^^)
では米国での暮らしを大いに楽しまれんことを。