冷凍鮪はこの部分をすでにカットした状態で納品されるのが普通です。つまりすでにサクになっています。値段も赤身側より高く設定されてます。
(カットされてると言っても皮や骨や血合いは付いたままです。そこまでスキンするのは大変な手間になりますので、普通の問屋ではやりません)
従って形の整った部分のサクは皮を取り除くだけですので説明を省略します。
問題になる部分だけをピックアップしておきます。
中トロのさばき方
マグロの皮部分の節には、ヒレ下部分の骨状に硬い筋の塊があります。
(上の背1丁はすでに取り除いた状態)

これだけは食べてもしょうがない構造ですので使い途がありません。
その部分を下にして皮を包丁で剥ぎ、ひれ下骨に達したら指を入れます。
力を入れてべリベリと皮ごと引きちぎって下さい。
(包丁でやるとうまくいきません)
後は中トロと同じく並べてさらに解凍します。
筋を避けて刺身にすれば、中トロとしての値打ちは充分あります。
そして中トロのサクには必ず「血合いぎし」という血の入った部分があります。

ここは悩ましい部分でしてね、食べて非常に美味い場所なんですが、半分以上は血が入ってますんで寿司ネタにも刺身にも出来ません。
血の線にそって包丁を入れます。
向こう側は良い中トロとして使えますが、手前の部分は血が入って実用サイズにできません。もったいないからと変なサクにして「血を移して」はいけません。血の入った手前部分はあきらめて、向こう側を生かすようにしましょう。
一番最後にこうやって「かき身」にすればとても美味しいです。
血を避けてスプーンなどでひっかきます。
*冷凍のマグロは解凍するほどに血が広まり、鮮血は身に浸透しマグロの色を損ないます。黒く染まった身を食べられない訳ではありませんが、真っ黒になったマグロの刺身には誰も食欲が湧きません。
大トロのさばき方
画像上は「カマ下」大トロの中でも一番美味い部分。
腹上の先端部分は太い筋が走る所謂「ハラモ、砂摺り、蛇腹」になっています。筋の方が多い先端はカットしてしまいます。
*この部分は解凍してしまうとビロ〜ンとした蛇腹になってしまいます。寿司ネタに切る場合逆目にカットするとバラバラになって握れないし、順目にすれば筋が当たります。切り付けには注意しましょう。
先に皮を切り取り、
サクにカットします。
腹腔粘膜を切り取ります。
問題はハラモと中トロに挟まれているトロのサクでして。ここは下半分に赤が混じり中トロ状態で上は骨が深く入ってるっていう困ったサクです。
中トロとして扱うか大トロとして扱うか微妙になってきまして、だいたいの職人はここを骨だけ掃除して先端を大トロとして切り、後半分を中トロとして切ります。
しかしですな、こうして縦半分にカットすれば、

全部を大トロとして使えます。
困るのはこの中央付近まで入り込んだ硬い骨。謂わばSPARERIBSですなここは。

骨当りで抜くのは無理ですし半分以上の深さにありますので骨だけ取り去るしかありません。骨の走る向きを指で確認して包丁で切り取ります。
先の方に反対側から平たい骨が一本走っています。この骨を切り取りますとイビツな切り込みが入りまして刺身にしろ鮨種にしろマトモな形にはなりませんので、切り落として骨を外します。この先端部分はそのまま食べるにはキメが荒すぎますしね。
通常はこれをネタに切ったり刺身に切ったりしますがね・・・・
どう切ったところでこのデコボコの形は残ってしまいます。それでその部分は値段を下げるならボコボコでも良いかも知れませんがね、大体は大トロと同じ値段にしてますな。こりゃちょいと変ですな〜。
和食ってのは「見た目も料理の内」なんですよ。失礼ですよねこれじゃ。
骨すき包丁で骨を除いた豚バラ肉と違い(これは煮込み料理がメイン)、生で出す刺身や握りは見た目の華が重要です。
おいらはこのデコボコも根元から「直線」ですわ。
まっすぐなサクにしてから切ります。
だいぶ細くなりますがデコボコ歪よりはその方が良いからです。
水抜き
サクにした冷凍マグロは芯が無くなるまで、さらに解凍します。
そしたらドリップ(汁)が表面にたくさん出てるはずですので、これをしつこいくらい丁寧に拭き取りましょう。
*この時裏面に氷が張っている場合はその氷を包丁の背などで落としてから拭き取ります。氷が張ったのをそのまま仕舞うなどは絶対にいけません。数時間以内に黒く変色しそれが広がっていきます。
さて皮や骨を掃除した手クズはまとめておきまして、
スプーンで筋や血を避けて掻き身にしましょう。
先ほどの血合いぎしの部分も合わせればよいですね。
叩けばネギトロみたいになりますし、そのまま刺身盛りに添えるのもアリです。美味いですよ。丼でもいいですね。
血合いの処理
数時間水にさらしておきます。生臭みが抜けます。
骨を避けて良いサイズにカットして軽く湯に通しておきます。
煮物、焼き物、ステーキ、串揚げ、どんな過熱調理にでも利用できますよ。
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