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2008年05月13日

カツオの叩き豪快version

世の中はどうも凝った料理に喝采を浴びせる傾向が御座いましてね、そりゃあそれでいいんでしょうが、複雑で小洒落た料理が必ずしも旨いっては限りません。単純な料理も馬鹿にできたもんじゃありませんよ。
カツオのタタキひとつにも色々な「タイプ」がありまして、今日はそのうち最もストレートなタタキをご紹介します。

薬味はこんなもんで十分です。
タタキの薬味

ネギはタタターンって打ち、


大葉もチャチャっと打ち、


生姜と大蒜もまとめて、


トトトーンってな感じで打ち、


白ネギだからって青い部分を捨てちゃいけません。
お皿の上でこう持ってシャシャって笹掻き切りにしておきましょう。


そいで焼いたカツオをサクサクサクって刺身に切り、
鰹平造り


鰹タタキ


さっきの皿にヒラヒラと並べます。


ガシガシ卸した大根をね、
バーンと豪快に乗せます。


その上にさっきの薬味をバッサバッサと。


青い柑橘くんも切ってパラパラ。


三杯酢でもポン酢でも好みの味にしたタレをゴボゴボかけます。
(酒盗と辛子明太子を刻んで入れておくと絶品)


ラップをゆるく被せまして、ビンタを張る感じでパチン・・は強いのでぺチリぺチリといった按配で10回ほど「叩き」ます。
カツオを叩く


そいで食べる15分前くらいに冷凍庫にぶちこんでおきましょう。
お客さんなり旦那さんなりが食卓に座りビールを飲み始めた頃合に、器ごとギンギンに冷えたカツオぶっ叩きを出してあげると良いでしょう。
たぶん箸が止まらなくなり、「もっとビールを、いや、日本酒をくれ」ってな感じになっちまいますよ。

美味しい叩きを召し上がれ


関連記事

カツオのさばき方

      
タグ:鰹の叩き





posted by 魚山人 at 19:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年04月29日

鯛を食べ尽くす〔一〕桜造り/身影造り

真鯛の旬は桜が散った頃。
だいたい3〜6月に産卵期を迎えます。「乗っ込み」の盛りはやや過ぎたんでしょうか、それでもまだまだ場所によっては釣り師を喜ばせているはずです。

寿命の長い魚でして20年ほど生きる鯛もいます。
大きくなって老成魚になりますと、額に瘤が出っ張り始めます。
こいつの顔は見るからにオスですな。額が尖がり始めてます。
真鯛 雄

メスは優しいおっとりとした顔をしています。
なかなかの「美女」です。
大鯛雌

大鯛だと身もたっぷり。
真鯛上身節

やはり天然の鯛は美しいですね。下の頭だけになってるのは養殖ですが、上の桜色の天然鯛に比べると「ガングロ(もう古いですかこの言い方?流行廃りってのはどうもよく分かりませんや(笑)」ですな。一目瞭然です。


鯛の料理


さて、「腐ってもタイ」だの「真鯛は捨てるところがない」なんて話をよく聞くと思いますが、ではどういう感じで一本のタイを残らず食べるのか。
今回はそれを画像で紹介していこうかと思います。
瀬戸内物で手頃なサイズ。きれいですね。
天然だい


まず最初は姿造りで、形の美しさを刺身で堪能しましょう。
ウロコがキラキラして今釣れたように輝いて魚の王者たる風格も充分ですね。

ところで画像をよく御覧下さい。
これは今からさばきにかかるんではなくて、すでにさばき終わっています。
尾を立てると全然分からなくなりますので、普通に置いてみました。
姿造りにしてありまして、もう食べれる状態なんですよ。

姿作りには色々と種類や流儀がありまして、これはそのなかの一つの造り方です。ウロコは引いてありませんが内臓やエラはすでに抜いて処理済みなんです。

こうやって皮をめくりますと、


皮をベリベリめくり、身が現れましたって感じなんですが、


実は全部刺身に切ってあるんです。
鯛お造り

内臓の部分には刺身ヅマとケンを入れて、ハラワタ部分のへこみをカバーしていたんですね。


これはまぁ極端な例でして、姿造りの中でも実用的とは言えません。祝いなど特殊な場合にしかやらないものですが、美しい姿をアピールしたい時にはいいかも知れませんね。

片身は上のように刺身にしましたが、もう片身はどうしましょうか。
真鯛の身はね、和洋中の料理何でもぴったりきます。ともかくどんな料理でもOKなんです。だから好きな様にして召し上がるのが一番です。料理が面倒なら切り身をご飯に乗せその上にワサビ、熱い茶をかければ美味しい「鯛茶漬け」って按配です。

この姿造りの鯛。もちろんこれで終わりじゃありません。今回は片身だけですが、次回でこの同じ鯛を食べ尽くします。エラからウロコから内臓まで残らず料理してみましょう。



関連記事 タイ洗いの作り方


春鯛紹介リンク







posted by 魚山人 at 05:57 | Comment(4) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年04月27日

ウマズラを姿造りにする

カワハギの代用品扱いで、味もハギより劣るとされるウマズラハギですが、どうして新鮮な物は馬鹿にしたもんじゃごさんせん。皮を剥いで乾燥品にしたのなんかいかにも三流品って感じで貧相に見えたりもしまけどね、利用範囲が幅広いって事は「つぶしがきく」って意味でつまり優秀な魚ってこと。人間も同じこってす。



皮剥ぎも馬面剥ぎも旬は夏に向けて。しかし肝の旬は寒い時期。夏は身は美味くなりますが、肝が痩せちゃう。間をとって春や秋でもバランス良いってことで何のことぁない、年中美味いって考えてもいいですね。

ウマズラハギを一匹姿造りにしてみましょう。





皮剥ぎの詳しいさばき方はこちら。



新鮮なのはかなり身が硬いので薄作りにします。
甘皮(薄皮)はフグと同じく湯引きにして冷水にとり細く切って刺身に添えます。肝を裏漉しして刺身醤油と合わせた濃厚な肝しょう油で召し上がります。


驚くほど美味しいものですよ。


関連記事 カワハギ






posted by 魚山人 at 06:31 | Comment(2) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年04月19日

刺身・お造りの切り方・盛り方の基本

刺身の切り方に関しては何度か記事を書いてますが、主に【平作り】に偏っているようです。これは家庭においては刺身=平作りという考え方でして、それでもいいとは思います。
それでもある程度上達したら次に色々試してみたくなるのが人情ってもの。ですんで、和食の板前がお造り引くときの基本形を紹介しておきます。これだけマスターしておけば後はこれ等の応用でしかありませんので、手馴れてくれば家族やお客さんを十分喜ばせる腕になれますよ。




(1)平作り

平作りに関しては「刺身の切り方」に詳細に書きましたのでこちらを参考になさって下さい。右側に送って行くのが特徴ですね。

(2)引き作り

身が柔らかく、右側に送る動作で身が崩れる可能性がある場合などは、サクを軽く押さえて「その場で引き切る」方法を使います。
小さいカツオなどの腹側のサクとかは右に送る動作で「身割れ」してしまうことがあるからです。
こうやってその場で下まで切り離し、包丁を引く抜く様にします。

手元を持ち上げ、切っ先を使うようにします。

この代表的な刺身引き二種(1)(2)を盛る時は、必ず奇数盛りにして下さい。一人前ですと三切か五切にします。
ポイントは切り口の角、これを「山」と言いますが、ここが鋭い鋭角になるようにするのが肝要です。そのために包丁で引くとき包丁のミネを気持ち左側に傾けて切りますと角が美しくなります。


(3)角作り

サクを長角の拍子木切りにして、それを小口からサイコロの様に切る刺身です。「ぶつ切り」との違いを出す為には大きさを揃え、切り口の鋭角が崩れない様にします。

積み盛りし、重ねて立体感を出して下さい。


(4)細作り

昆布締めにした白身や、サヨリ・キスなど薄い身の魚を刺身にする場合に適した引き方です。身が厚い場合は2〜3枚にそいで切ります。

包丁を立てるようにして細く引きます。
キスなどのように長さのない魚は斜めに引きましょう。


盛り方は【杉盛り】です。
一枚ずつ重ねながら小高く盛っていきます。
中心に皮目模様の無い「テンパ」を、外側に模様のあるそぎ身を盛ればよいでしょう。
続きを読む





posted by 魚山人 at 23:27 | Comment(2) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年02月19日

タイのさばき方・洗いの作り方B

洗いの作り方マダイ編、養殖真鯛でさばき方を説明します。
洗いにするには鮮度が肝心ですから、生きたものを使い、活け締めにします。

活け締めの仕方
(魚屋で買う場合は、その場で生きたのを〆てもらうか、オロシ身ならまだ身が活かってるか(死後硬直前かどうか)店員に確認しましょう)


マダイのさばき方

クリックすると大きな画像になります
ウロコを引き、エラと内臓を出して頭を落として水洗いします。
包丁では引けませんので、うろこ引きを使って尾から頭に向かって引いて下さい。新聞紙の上でやると後の始末が楽になりますし、ビニール袋を被せてやるとウロコが飛び散りません。ご家庭の台所事情に合わせましょう。


水洗いの細かい部分は下の記事を参考にしてください。

サバのおろし方    魚の水洗いと捌き


三枚におろします。
真鯛のおろし方はウロコを引かずに捌いたり等、3〜5種の型がありますが、これは一般的な三枚おろしです。






中心の小骨が入った血合い部分の左右を縦に包丁して片身を二等分にします。これが刺身柵です。
タイの三枚おろし


包丁で皮を引きましょう。
尾からでも頭側からでもかまいませんが、ここでは無駄を出さない様に頭側から皮を引いています。




周囲のエンガワ部分、筋っぽい部分を含めて整えると刺身を綺麗に引くことができます。


次に刺身から洗いまでの説明です。続きを読む





posted by 魚山人 at 10:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年02月16日

洗いの作り方・真鯛で洗い@

洗いの作り方を説明していきます。
洗いは夏場の物ですから、この時期になんで?そう思いなさるでしょうけども、春に旬を迎えるタイ、こいつは旨いもんです。しかし天然はかなり高価ですから普段使いはやはり養殖ダイが多くなりますよね。正直言いまして養殖鯛は運動不足と餌の関係でどうしても脂が強いです。
下段に、洗いについて解説していきますけども、こういう魚が洗いに向いているんですよ。
桜ダイで洗いを作って食べながら、来たる夏の、「スズキの洗い」に想いをはせるって寸法です。


洗いについて

洗いは「ズズキ」や鯉、鮒などの川魚が有名ですが、白身系の魚であれば基本的にどんな魚でもかまいません。あえて言うなら、白身の魚で「クセのあるもの」、「脂の強いもの」に適しています。

薄く切った刺身を氷水で急激に冷やして身を縮めます。
その涼しげなお造りは夏場向きではありますが、魚の種類や状態によって季節を問わず洗いの方が美味しく食べられる場合もあります。

洗いは活締めの魚に限ります。活けでも身に弾力のあるうちに切る必要があります。死後硬直が始まってしまえば冷水に入れても「洗い」としての特徴が出ないからです。

基本の作り方は、そぎ作りにした白身をボールに移してまず流水で洗い、それを氷水に移動させてしばらく放置しておきますと身が白っぽくなり縮れてきます。それを取り出して水気を拭いて器に盛ります。

脂の強く身の硬いハタ系の魚やクセの強い鯉などの淡水魚は、65〜70度くらいの湯で「湯洗い」した後氷水で締めます。

皮つきで洗いにしたければ「霜ふり」の技法をそのまま使えばよいです。皮を上に向けたサクに布巾を被せて、熱湯を皮に満遍なくかけて、その後上記の「洗い」にします。

さらに美味しさを求める板前の技法としては、氷水に酒と水を同割りにした「玉酒」を使ったり、硬水であるミネラルウォーター等を使ったりもします。

添えは、海魚は山葵醤油、川魚は酢味噌が基本。
酢醤油や梅醤油や梅肉醤油やいり酒ですすめる事もあります。

盛り付けはガラス器や砕氷の上に盛ったりと、涼味をさらに引き立てる様に盛るのが普通です。氷の器に盛るのもいいものです。氷鉢を作る器具も売っていますが、家にある椀やボールなどで簡単にお手製が出来ます。

これは「かまくら」風の氷器。
洗いのカマクラ盛り


これはフルーツを埋め込んで氷鉢にしたもの。
洗いのフルーツ氷鉢盛り


次回から鯛のさばき方から、洗いの作り方、手軽な氷鉢の作り方まで、順を追って画像で説明していきます。

次のページへ>>

関連記事  スズキの洗い






posted by 魚山人 at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年01月21日

マグロ刺身の作り方@マグロ#(5)

さて、いよいよマグロの刺身に入りますが、このページを読み終えた皆さんが、ダッシュで魚屋までかっ飛んで行き、「マグロの刺身下さい」ってな記事にしようと思います(笑

注*クリックで拡大しますが、空腹時は危険ですので拡大しないで下さい
マグロの刺身

(五)マグロ短冊を刺身に

まずおすすめのマグロ短冊なんですけど、冷凍マグロブロックの切り出しの所で紹介しましたけども、凍ったままのマグロを電気ノコでサクまでにカットしたのが良いです。つまり冷凍ショーケースのある鮮魚コーナで、一度も解凍されずに並んでいるのが良いんですよ。
冷凍マグロサク
こういうのが買えましたら、解凍方法が大切です。
お風呂くらいの湯を用意し、塩を一掴み入れまして、表面をゆるくしたらすぐ取り出し、布巾かキッチンペーパーで包んで冷蔵庫に入れて低温解凍すると、ほとんど生のマグロと遜色のない(場合によってはそれ以上)刺身ができます。
マグロの解凍

しかし多くの場合鮮魚店で解凍して並べてあるケースがほとんどです。マグロ刺身サクを買う時の注意点はまずドリップ(肉汁・赤い汁)の有無です。冷凍ケースで凍ったまま販売されていても、このドリップのあとがトレーの底に見えるものは買ってはいけません。解凍したのを再凍結させた可能性濃厚で問題外ですね。解凍してパックしてあるのもドリップはいけません。古い証拠です。

そしてマグロ刺身を堪能できるかどうかの分かれ目はマグロの「筋」です。
買ってはいけないマグロサクはこんな筋目のやつです。
筋を間違えたマグロ短冊
これはね、ブロックからサクにする時に間違えているんですよ。サクドリの経験が浅いか、やっつけ仕事なのか知りませんが、これはいけません。
このサクを刺身にしますと、筋がビラビラと口の中に残って、せっかくの刺身が台無しになります。

では正しいサクをとった筋目はどんなのか。これを御覧下さい。
クリックで拡大
正しいサクドリ.
トロと中トロの筋をよく見て下さい。これが正しいサクです。

このサクの上辺と底辺を表面に来るようにサクドリしてしまったのが、上の間違ったサクなんですね。材木の加工板年輪状の筋(フローリングの床模様を想い起されたし)が表面にきてしまう訳です。

そういったメチャクチャなマグロサクをスーパー等で見かける事もありますが、そんな物は買ってはいけません
(画像右にある赤身はテンパ部分なのでスジはありません。こういった部分は問題なし)

正しい筋目とは、刺身を切る時に包丁が筋に対して垂直に入るもので、そのとき包丁がスジに平行になってしまうサクが間違ったサクです

正しいサクを刺身にしたらこんな風にスジが垂直に切れます。






刺身の切り方ですが、続きを読む





posted by 魚山人 at 02:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年01月20日

マグロブロックのカット方法@マグロ#(4)

(四)マグロの病変とブロックのカット方法

良いマグロがどんなものかを、マグロ喰いの日本人にあえて説明する必要は無いと思います。強いて言うなら【人間(殊に日本人)の審美眼】にマッチするマグロが良いマグロです。そもそも値段を見れば一発で分かります。
ですから、ここでは逆に悪いマグロを取り上げます。

江戸時代からマグロ関係者を悩ませてきた「使えないマグロ」の代表は四種類ほどあります。とろけ・やまい・うたれ・いたみ、の4種の変種です。

とろけ
これは廃棄されますので、普通は見る機会がありません。刺胞子虫類がマグロの身を侵食して、その部分がゼリー状に溶けてしまいます。水泡状になった身はズブズブになってしまい、まったく商品価値はありません。メバチやキハダに多くみられます。

いたみ
外見は普通なんですが、食べるとピリッとした刺激があり、「電気鮪」と言われていました。原因はよく分かっていません。輸入物に多いです。

やまい
マグロの病気です。おかれた環境や個体差で発現します。ひどいものは膿泡が出来て、そこが大きな穴になります。

うたれ
内出血の事で、「シミ」とも言います
上の三種は冷凍輸送技術等の進化により、最近減少していますが、問題はこの「うたれ」です。先に紹介したマグロ漁船での漁獲時に発生します。マグロ漁師のスキルの低さが原因です。漁法、シメ、放血、格納、冷凍、この過程が悪いと発生すると考えられます。外国マグロ漁船が大きな割合を占めつつある現在、冷凍マグロの値の安い物はだいたいこれがあります。

我々職人は普通これを不良品として業者に返品してしまいますけども、この在庫を抱えた業者がどうするかといえば、大量にマグロを使う大衆向けの大型チェーン店に卸します。「抱き併せ」や「おっつけ」ですな。返品してこない可能性が高いんですよ。色々な事情がありますから。
困るのはその店の職人ですな。無理に出したらお客に怒られる可能性が高いし、使えないからロスにもなります。加熱調理しかありませんが、そんなのを出してない回転寿司とかは、本当に困る事でしょう。

赤身のうたれ(血線/シミ)
けっせんのあるマグロ赤身


中トロ部分の血線/シミ
けっせんのある中トロ


この様に「血線」が入ります。
使えないマグロ


まともな寿司職人ならば、これを握って出すのは無理ってものです

ブロックのサクドリ

さて前回はマグロがブロックになるまでを紹介いたしましたが、そのブロックの切り分け方をサクドリと言います。普通、ブロックの長さは20センチ強ですので、下の様な刺身用短冊にします。(あと手ザクもありますが、これは寿司種用
皆さんがスーパー等で購入する刺身用マグロは板状の長方形になっていると思いますが、あれがサク/短冊/長サクです。
マグロ短冊

これをブロックから切り出していくのをサクドリと言います。

これがマグロブロックの各部位の名称(クリックで拡大)


ブロックのカットは基本的に下図のようになります(クリックで拡大)
鮪ブロックの切り分け.


まずは血合いを包丁を沿わせる様に使って削ぎ取ります。

*血合いは美味しいので捨ててはいけません。皮だって使えるんですよ。まずネギトロにして、ウロコをとって加熱すれば食べれます。クズは佃煮などに

次にテンパと呼ぶ上部の赤身部分を、水平に切り取り、下部を「座布団」と呼ぶ状態にします。この座布団を今度は垂直に切り出すのです。

無駄を出さないサクにするにはね、下の画像を御覧下さい、左端の部分手前に血の線がありますね、ここを上手に処理すると歩留まりが良くなります。血の手前あたりからす端を切り落として血合いを取りやすい形にします。血の部分をヘギますと、エンペラ・エンガワ・背トロ、ぎしトロ、なんでもかまいませんが、付加価値のある美味しい刺身サクになります。この部分の筋を避けて刺身を切り出すには平作りより削ぎ作りが良いでしょう。
(クリックで拡大)
マグロのサク



テンパをとり.

座布団を切り分ける
この画像は生マグロのサクドリ
冷凍マグロのサクドリは冷凍マグロのさばき方で。

この作業専用の包丁
真之棟 本焼
鮪切庖丁


またも次にもちこしてしまいますが、次回紹介する刺身で取り上げる「筋」がマグロ刺身の値打ちを左右しますので、それをよく考えてブロックカットをして下さい。買ってはいけない刺身のサクも紹介します。

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posted by 魚山人 at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 刺身・お造り | 魚山

2008年01月16日

マグロの刺身が出来るまで(1)

まぐろって何ですか?」ってな日本人は、おそらく一人もいねぇんじゃないでしょうか。国民的御ちそうですわな。寿司屋に行ってマグロ食わない人はいませんしね(ツーとかいう変なのは別)つまり寿司屋の看板だ。加熱調理だって何でも出来ますけども、なんたって刺身ですよね鮪は。

美味そうな大トロと赤身
鮪のトロと赤身


でもヅケ(赤身)が一番!!
ホンマグロ赤身

こうやって口に入るのが、最終段階ですよね。
こうなる以前、マグロってのはどうなっているんでしょうか?
こうして刺身になる前を、少し詳しく見ていきましょうね。
良いマグロの買い方、刺身の切り方までを、順を追って説明して行きます。


(一)まぐろ刺身の歴史

貝塚から鮪の骨が出土してますから、縄文時代から食べられていたようです。縄文人たちは丸木舟でかなり沖合いまで出漁していた様ですが、30s以下の若魚マグロならともかく、成魚を釣るのはかなり困難というか不可能に近かったのではないでしょうか。船全体の総重量より、マグロの方がかなり重いですからね。後期に入って船団を組むなど漁労技術が発達するまでは、鰹などに混ざって釣れるマグロの稚魚を食べていたと想像します。
当然ですが、縄文漁師達はこれを生食したと思います。つまり刺身。

後になって書かれた「延喜式」や、日本料理として形になっていった本膳料理や懐石料理などから、鮪はあまり上等な物としては扱われていなかった様が分かります。
元々これらの料理型式が出来上がったのは、大体仏教が浸透した歴史と重なりますので、精進料理の影響がありますから、刺身自体が特殊な品でした。
刺身でも白身系が上物とされ、それも鱠にする事が多く、鮪などは鯨と同等の珍品扱いであったのでしょう。
少なくとも漁地から離れた内陸では、鮪刺身と縁が薄かったと考えられます。

しかし江戸時代に入りますと事情は一変します。
この頃には漁の技術もかなり進化していましたから、群れで回遊してくる鮪は大量に獲れるようになります。しかも100貫を超す巨体で肉が大量に取れます。
とても食べきれませんので、腐ってしまうほど。
そこで腐らせない為に身を醤油漬けにして長持ちさせる様になりました。
これが「ヅケ」です。
しかし、脂身、つまり「トロ」は脂っ気が邪魔して醤油をはじいちゃう、つまり「ヅケ」になりませんので、「捨てて」いました。あまり脂の強いのは「下等」で「下賤」だっていう日本文化特有の思考もありましたからね。「品がねぇ」って訳です。この状況は冷蔵、冷凍の技術が普及する昭和初期まで続きます。

今から二百年くらい前の天保年間、マグロの豊漁が続き、江戸に大量のマグロが出回り、だぶつきました。値が下落したんですね。
日本橋は馬喰町の『恵比寿すし』って名のすし屋台店がね、「こんだけマグロがお安くなってんだ。ちょいと握りにしてみるかい」ってな寸法で、試しに寿司にしてみたんですよ。これが意外に美味かった。たちまち江戸っ子の人気をさらい、「まぐろのすし」が定着した。そんな話が伝わっています。明治になる頃には「マグロなしじゃ寿司屋の看板出せない」って今と同じ言葉が定着していました。

今の河岸ではね、本マグロ(インドも)の良い部分ってのは脂のある腹一丁、それをブロックにした「腹上」でして、高級店に一番良いブロックを卸すのが仲買商の暗黙の了解事項なんですよ。
それが明治・大正の頃は逆で、赤身を高級店、値打の無い脂身(トロ)は屋台店なんかに売ってたんです。その頃はね、料理屋の収入の多くは出前だったもんですから、同じマグロでも色の変わらないキハダとか、マグロじゃありませんが、マカジキとかが貴重だったんです。(カジキマグロって意味不明の語は、このへんからできたんでしょう)脂身なんて問題外だった訳です。

「赤身なしじゃ寿司屋の看板出せない」から、
「トロなしじゃ寿司屋の看板出せない」に、なったきっかけですが、
昭和の初期に、「こんなのを握ってもいいのかなぁ、でも安いから」ってな感じで低料金寿司屋台店で出していたトロをね、三井か三菱だか住友だかの商社マンが食って、美味さに感動して広まっていったなんて話があります。
しかし現実的には、冷蔵・冷凍・運搬の流通事情の進歩でしょうね。
現在マグロの元締めって言うか、動かしてるのは商社ですから、面白い話っていえば面白いんですが。

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2007年12月23日

鮭の焼き霜作り

暮れも押し詰まってまいりました。
それにしても1年が早く感じる。
世の中は大河のごとし、
緩やかな流れもあれば、
突然荒々しい急流に突入したりもする。
その激流の只中、それが現在だ。
とでも言うんでしょうか。(たんに歳くっただけすかね?)
こんな速さじゃ棺桶まで一足って気がする・・

馬鹿な話はさておきまして、
今日はこの記事からの続編になります。



魚のカットには基本があります。
まずおろした魚は尾を左、頭側を右において切るのが前提。
*1
頭を左にして腹を下に向けた魚の右側(下身)、ここは包丁を左斜めにしてカットしていきます。体の向きも左。

左側(上身)、ここは包丁を右斜めにしてカットしていきます。体は右向き。(
今回紹介の画像がそうです
この理由を言いますと、魚の筋目が左右(上下)逆だからです。
*1の場合
筋目にそった「順目」に切らなければいけません。


これは、左側(上身)をカットしているところです。
筋が分かりますね。この筋の向きが左右で反対にないっているんです。
画像はシブイチの腹ザク(三枚に卸した身を縦二等分カットしたもので5枚おろしと同じです)ですけども、三枚にした身も同じ切り方です。
右の身は筋の向きが逆ですが、おかまいなしにこの包丁向きのままで切る職人さんをよく見かけますが、間違ったやり方です。


右側(下身)をカットする包丁の向きはこうなります。上と逆になってますね。



包丁が左向き、体の向きも左向き。魚の向き(尾左)は変えません。


注意深い方は、寿司ネタや刺身のページで、「筋と交差して切るのが基本」と書いているのに気が付き、矛盾に思うでしょう。
刺身や寿司で紹介したのはマグロやカジキ等「大物」で、細かく柵にします。
肉と同じ事ですね。小型中型の魚は、筋に包丁を入れるが正解です。交差して筋を切らなければいけないほどの太い筋が無いからです。
たまたま今回は、焼き霜作りという「刺身」の一種でしたが、他の料理でもこの切り方は変わりません。


通常皆さんが魚屋で買う「切り身」もこの切り方をします。
魚の筋目にそって斜めに包丁を寝かせて最初の一切れと、最後の一切れが同一の大きさに揃うように切るこの切り方を「ハネ切り」と言います。
包丁を寝かせず直線に切り落とすのを「行儀切り」と言いまして、これは和食の焼き物でよく使います。
ハネ切り

詳細は魚の切り方を御覧下さい


サーモンはともかく皮が旨いです。
皮だけをバーナーで「炙り」にしたのが、鮭の焼き霜作り。







鮭の焼き霜作り


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