またこの魚は乱獲の犠牲になった種のひとつでして、昔は木箱いっぱいに詰められて山の様に市場に並んでいたんですが、いつの間にか激減してしまい、今では魚屋の店頭で見るのも珍しくなってしまった魚です。
ですから知らない人が増えて、見る機会が多いのは釣り師くらいではないでしょうかね。地方によっては魚屋に並んでいることもありますが(特に愛知県では多い)、それにしても昔と同じって訳にはいきません。漁で揚らなくなっていますんで。底引き網で獲れたにしても、ねり製品の原料に回されたりしてしまいますし。
さてイシモチを調べようとすると「ニベ」が登場するはずです。
それでイシモチとはニベの別名だと早合点する人もいます。
これは科が同じ(スズキ属ニベ科)ですんで、間違いではないんですが、イシモチとニベは違う魚です。
この違いを語り口調で書くと、混乱が増してさらに意味が分からなくなるばかりですんで表記を変えて書きます。
■ニベ
*別名 イシモチ、グチ、アカグチ
このニベには下記の種類がいます。
●ホンニべ
60センチくらいまで。
単にニベと呼ぶ場合はこの魚。蒲鉾など練り製品に使用される事が多く最高品質のねり物ができる。
●オオニベ
*別名 ヌベ
20キロ、1mを超える。
ニベの最大種。
●フウセイ(大黄魚・大黄花)
50センチくらいまで。
腹と唇がやや黄色い。
●キグチ(小黄魚・金石魚)
*別名 キングチ、コイチ
40センチくらい。
腹の黄色が強い。
●コイチ(黄姑魚)
*別名 グチ、クチ
40センチくらい。
腹やヒレが橙色。
●クログチ(黒久智)
*別名 チョウセングチ、ハマニベ
40センチくらい。
一見スズキと似ている。口の中が黒いのが特徴。
そしてもう一種、
●シログチ
*別名 グチ、シラグチ
40センチくらい。
このシログチがイシモチ〔石持・石首魚〕です。
このニベ科の仲間の特徴をあげますと、浮き袋が発達していましてこれを振動させ「グーグー」音を出します。ですから別名グチ(愚痴)と呼ばれている訳です。
そしてもう一つが頭の内部に平衡感覚を司る大きな『耳石(じせき)』があること。ですから【石持ち】の名があります。
(テンジクダイ科のイシモチも同様ですがこれは観賞魚)
上にあげたニベの仲間はイシモチ(シログチ)を含め【グチ】と【石】が共通してますね。ですんで、ニベとイシモチは同じ魚として紹介される例が多くなるんです。間違いではありませんが、正確でもありません。
少なくとも河岸では(釣関係者とかも)ニベとイシモチは別です。
本種は外見上よく似ていますんで、それも混同の一因でしょう。
しかしニベとイシモチの区別はわりと簡単です。
イシモチは銀白色の体色、
ニベはこれに対し暗黒色の斑紋があります。黒い点々です。
イシモチは塩焼き他でかなり美味しい魚で、特に名古屋周辺で好まれていまして色々な料理に利用されています。
扱いの注意点は、ウロコから滲むように出てくる白濁した銀色の汁があるんですが、これを綺麗に洗い流した方がよいです。臭みの原因ですので。
竜田揚げにしてサラダソースで食べてみました。
産卵期は春から夏、旬も春夏。イシモチは秋くらいまで。
ニベの画像
















