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2007年05月20日

本焼き「青紙」と板前

「よい板前になるには良い包丁を持たねばならない」
これは正解でもありますが、間違ってもいます。

土佐の正夫。本焼象牙銀巻


人は正装すると背筋がシャキンと伸びて、心身ともに引き締まるものです。
これは和装も洋装も同じ事。

仕事というのは、最後は結局【気合い】です。

気合いというのは集中力ですね、
緊張感を持ってのぞむという事です。

この意味では本焼き包丁の厳粛な輝きは、絶対プラスになります。

土佐の正夫。本焼鏡面仕上げ

そして何時しか、包丁の素晴らしさに見合う腕に成長していくというのが理想だし、それが良い包丁を持つ意味ってもんです。

だから修行の初期に本焼きを買うのは、よい事ではあります。

関の正夫。源昭忠 総銀特別鍛え


しかし、
おいらもそうなんですが、長い年月が経ちますと、
日々の忙しさに飲み込まれて、いつの間にか本焼きを仕舞いこみ、便利な洋包丁を使ってたりします。
これはこれで、間違いではないと思うんですね、最近。

要は、状況にあわせるという事なんです。

老舗の超高級料亭などじゃ、青の本焼きを手離す事はできないでしょうが、養殖の鰤や鯛を次から次に捌かなきゃならない様な仕事でしたら、メンテナンス等を考えると、仕事の邪魔にしかなりません。

自分の仕事にあわせて、上手に包丁を使い分ける、
そういう事だと思います。

その為に、包丁という物の特性を多少は知っておきましょう。続きを読む





posted by 魚山人 at 16:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | 包丁や調理器具 | 魚山

2007年04月25日

最近の包丁事情

包丁にあまり関心が無い板前が増えました。寂しい話ですわ。
板前と切っても切れねえ仲だってのに、どうなってんでしょうかねぇ。

大金はたいて本焼きを買うんですがね、これは大事に使えば一生持ちます。そう考えれば高くはない。
丁寧に使用すりゃ、そうそう減るもんでもない。

けど、普段はあまり使わなくなります。
やはり刃こぼれしたりするもの嫌だし、結構メンテも大変。
本焼きでなきゃダメって場面でしか、持ち出さなくなってきます。

性能やメンテに優れたうえに、しかも高機能という包丁が増えたってのもありますね。

「錆びない包丁は切れない」は、もう昔の話。
今じゃ魚をさばくにも何するにも、牛刀を使う事が多くなりました。まぁ、出刃じゃなきゃ駄目なもんもありますが。

最近はおいらこの二本で間に合わせてます。

牛刀と柳刃包丁


牛刀と柳刃包丁




HP本焼包丁






posted by 魚山人 at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 包丁や調理器具 | 魚山

2007年02月15日

間違った包丁の研ぎ方

きちんと包丁を研げない板前が本当に多い。
やり方を知っていても、面倒がってやらない、
あるいは最初から知らない。
まともにやってる板前は三分の一もいないんじゃないか。

せめてこれから板前を目指す人は、おかしな包丁磨きは板前としちゃ恥なんだって意識を持ってほしいですね。


どこでも見られる誤った研ぎ方の代表が

■水道を流し放しでとぐ
★砥クソをすべて流し去ってしまいます。砥石の事をまったく理解していないやり方。

■砥石の全体を使っていない
★すぐに中心だけがへこんだ、いびつな砥石になります。
そんな砥石は正しく研ぐ人には使えません。

■包丁を均等に研ぐ事が出来ない
★切れ味が戻ればそれで良いという考え方。一時しのぎで、手入れとはいえません。

以上の研ぎ方をしてると、包丁は元の形を失くしてしまいまして、真ん中のへこんだ、あるいは「ソリ」や「シノギ」の変形したみっともない形になっていきます。
包丁の砥ぎ方1

真ん中が凹みだして、反りも残っていない悪い例。
包丁の砥ぎ方2




上にあげた悪い例の逆をすれば、正しく研ぐ事ができます。

反りと刃線が崩れていない正しい形。
包丁の砥ぎ方3

包丁の砥ぎ方5


(下)使い込んだ包丁。いくらかマシですが、正しい形とは言えません。
包丁の砥ぎ方6



包丁関連記事
包丁の研ぎ方

包丁情報

HP本焼包丁






posted by 魚山人 at 08:39 | Comment(4) | TrackBack(0) | 包丁や調理器具 | 魚山

2007年02月04日

白身魚の薄造り

切っ先三寸
日本刀の驚くべき切れ味の秘密は、【そり】にあります。
切っ先(刃物の先端)から中心にかけて、特に三寸辺りの部分から始まる上方に向けたカーブを反りと言い、薄刃(野菜包丁)などの例外を除いて和包丁も同じ様な反りを持っています。

 和包丁の曲線

剣の達人はこの構造を利用する事に長けていればこそ、神技の様な一刀両断の極意を会得するのが可能だったのでしょう。




刺身包丁はあご(刃先の根元)あたりから、切っ先近くまで{引いて}切るのに適した構造をしていまして、つまり刃全体を使って切るということなんですが、これが出来る板前は細胞の潰れてない刺身を作る事が可能です。切り口の断面が歪みの無い直線になります。この刺身包丁はみかけも日本刀とよく似てまして、室町の昔は、ほぼ同一だったんでしょう。現在も【包丁刀】というものが存在します。日本独特の文化と食の融合と言えますね。

ところが、マグロを筆頭とした赤身魚の刺身を【引き造り】にするにはこれで良いんですけども、ヒラメやフグ等の身の締まった白身魚を刺身にする場合、引き造りにしてしまうと、ぼてぼてとした食感になってしまい、持ち味を活かす事が出来ません。

そこで、薄く切る事が可能な【そぎ造り】という切り方をします。
【薄造り】【ふぐ造り】なども同じです。
新鮮で脂のある魚は想像以上に固く身が締まってまして、引き造りは勿論、刃先全体を使って引くというのも困難になります。
ではどうするかと言うと、先の【そり】を巧く利用して刺身を引くんです。要は包丁の先っぽを上手に使うって訳です。


下の画像はヒラメですが、フグ、カワハギ、マゴチ、ハタ等身の固い白身魚の切り方も、すべて同じだと考えてもかまいません。

刃先の先端部分(切っ先三寸)を上手く使う。

包丁をぶれさせない


ヒラメの背サクと刺身


花の様に盛ります


HP本焼包丁






posted by 魚山人 at 07:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 包丁や調理器具 | 魚山

2006年10月10日

包丁を研ぐ

このブログを始めた頃に書いたのですが、プロの料理人でも包丁を正確に美しい形を保ったまま研ぐというのは難しいことです。
特にプロが愛用する本焼き包丁はその扱いが大変で、いったんひずみでも出ようものなら、まず料理人では修正できないでしょう。
専門家に直してもらうしかありません。
そういった事も理由のひとつとして、立派な本焼きを持っていても、普段は霞焼きで仕事をする板前が殆どです。

研ぎ方を知りたい方はこちらを御覧頂くとして

おいらの経験から少し言わせてもらいますと
自分の包丁を変な形にしちゃってる職人は、簡単に言えば
「研ぎ過ぎ」ですね。
特に荒砥を使いガシガシやってる職人の包丁は可哀相なくらいで
最悪の場合、刃先から切っ先にかけてまるでコンコルド状態
もっとひどくなると、鋼がなくなってしまってる。
現実にそんな職人がゴロゴロいます。

「きちんと手入れしてれば荒砥など使う必要はありません」

ではどのように砥いだら正しいといえるのでしょうか
簡単です
購入した時のままの形を保っていれば、正確に手入れ出来てると考えてよいでしょう。勿論切れる様に砥いで、毎日使用しながらですが。

それと、包丁の事ばかりに意識がいき、砥石の重要さに気が付かない板前が多い。
真ん中のへこんだ砥石なんかじゃ絶対に正しく砥げません
包丁が大事なら、まず砥石を大切にしなけりゃ話にならないですね。

具体的な注意点は
刃先から切っ先は[しの字]を描くような特殊な研ぎ方をしますが、あとは「部分を研がずに全体を研ぐ」という事と、「左手は常に砥石の上にある」事が大事だと思います。


魚山人専用包丁色々

01.JPG

02.JPG

03.JPG
04.JPG

05.JPG

06.JPG
*煙草の箱は、サイズの目測用に置いてあります




包丁情報



HP本焼包丁



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タグ:包丁研ぎ





posted by 魚山人 at 06:05 | Comment(6) | 包丁や調理器具 | 魚山

2006年08月01日

包丁

普段は威勢よくべらんめえなおいらが、こんな日記ふうなんぞやり始めたのが知れると、なんか照れるってぇ言いますかこっ恥ずかしいんで、当分みんなにゃ内緒です。たぶんすぐにばれちゃうけど。


ところで、料理のはなしを始める前に、なにはともあれ、包丁の話しときませんと。


板前の命は、昔も今も、包丁なんですわ。


スーパーで売ってる文化包丁から、日本古来の「たたら」でつくった「玉鋼」で、一流の職人が打った物まで(古物)、いろんな種類がピンキリでそろってるんですがね。

my寒打ち

この写真の包丁ですが、よく光ってるでしょう。
寒打ち 1990

こりゃですね、本焼きという、日本刀とだいたい同じ製造工程でつくる高級品の中でも、一番値の張る「青紙」ってぇいいまして、青鋼って名の鋼で出来てます。
**万以下で買えるモンじゃありませんので、おいらはローンで買いました。

(HP・本焼包丁

でもですね、ほんとは包丁よりも肝心なのが、「砥石」なんですわ。いくら良い包丁ってたって砥石が悪ければ意味ねえんです。
ここだけの話ですが、実は本職の板前さんってのは、包丁を真っ直ぐ「反り」と「刃線」「シノギ」をきれいに残して砥げる人はあんまいないんです。
使っているうち変な形にしてしまうんですわ。


厨房が裏にある和食は無理ですが、寿司屋なら客席からまな板が見えるんで、板さんの包丁の形を観察するのも面白いですよ。



家庭のおかみさんがたも、切れない包丁じゃ料理自体がつまんなくなって来ますんで、スーパーで売ってる、ただ前後に動かすだけで刃が付く簡易砥石でもいいから、切れる様にしといたほうがいいです。


包丁の研ぎ方と魚山人の包丁


ほいで板前なって数年くらいの人は、青の本焼きでも手頃な値段のモンがあります

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タグ:包丁





posted by 魚山人 at 08:33 | Comment(5) | TrackBack(0) | 包丁や調理器具 | 魚山
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Do not understand the heart of the person; if reject it, cannot understand the cooking  by魚山人