冬の味覚の王様
ずわいがに。日本海の重要資源です。

ズワイガニは水揚げされる地方によって【
松葉ガニ】【
越前ガニ】と呼ばれる事がありますが、
別種というわけではなく、同じズワイです。産地による地域ブランド化の一環でして、間人ガニ 、津居山ガニ など色々な名がありますが、ズワイガニには違いありません。ずわいがには富山新湊、越前ガニは福井三国町が名高いですね。産地を保証する「名札」までありまして、
産地表示のタグが足につけられます。ヨソの産地名を勝手につけて販売される「騙りガニ」の横行もありますが、差別化・ブランド化の徹底が主眼でしょう。なにしろ産地名ひとつで値段の桁が違ってきますんで。

市場ではズワイガニは
大きく成長した雄をさし、
雌はセイコガニやコウバクガニと呼びます。漁期はズワイより短く、1月下旬まで。これは資源保護のため。
ズワイガニはロシアや北米でも獲れますが、日本海産と区別するために「
キタズワイガ二」と呼び分けます。しかし同じカニであり外見の違いは僅少なので判別が難しく、産地表示がなければどちらか分かりません。業者のモラルを信じるしかない。
一回り大きいズワイもあり、「
バルタイ」の名で呼ばれます。標準和名は
オオズワイガニ。これもロシアから北米でキタズワイガニと同じくらい漁獲されてますが、北海道でもかなり獲れる様です。甲羅が大きく幅広いのが特徴ですけど、ズワイを見慣れた人ならともかく一般人には区別できないと思いますね。


減少するズワイガニを補う形で流通しているのが「
ベニズワイガニ」
鮮やかな朱赤色が特徴で、ズワイの黒ずんだ色とは対象的。足の身入りもズワイに比べて薄く、味覚の濃厚さもおよびませんけど、、物によってはズワイに匹敵する品もあります。
兵庫県香住漁港のベニズワイガニ「香住ガニ」
新鮮さが好まれる事、刺身やしゃぶしゃぶや網焼き等の調理の多様化。そんなこともあって生で販売されるズワイも増えましたけど、
カニの味を堪能したければ「浜ゆで」だと思います。カニは足が早い(鮮度が落ちる)品物ですから、産地から旅して「疲れた」生よりも、セリから現地業者の手に移り、速攻で茹でられる方が良いに決まってますし、何より大量に茹でますのでカニの味が散りません。業者が培った長年のノウハウもあります。養殖魚と同じく
「街では生きた魚ほど不味い」って理屈が当て嵌まります。生きた状態に近ければ新鮮って幻想は持たないことです。良い産地業者を選ぶに尽きます。
古風な『丸釜』で茹でられる三国のズワイ
カニミソ、内子、外子ズワイのミソは濃厚さに加え品の良さもあり、北陸の吟醸酒にもってこいの肴の王様。
カニミソとは中腸腺(肝臓と膵臓の機能をあわせ持つ器官)の事で鼠色に近い黄土色した味噌状のもので、雌雄両方にあります。
内子はメスの卵巣あるいは未熟卵でオレンジ色の固まり。
外子は粒々の卵で、醤油漬にしたりポン酢で食べます。
カニのオスとメスの見分け方
画像の円内部分、カニをさばく時最初に剥がす場所ですが、オスはここが狭く、別名を「
ふんどし」と呼び、メスはここの幅が広く「
腰巻き」と呼びます。
これはズワイ、つまりオス
外子を抱くメス、セイコ
その他ズワイガニ の仲間ズワイと同じクモガニ科に3〜4mにもなる巨大ガニ「
タカアシガニ」がいますが、味はもうひとつで、水族館向き。
他に
マルズワイガニと
アミというカニも。しかし国内で見るのは稀。
甲羅によく付着している黒いつぶつぶちょっと気持ち悪いかもしれませんが、これが多いのは身の入りが多く美味しいズワイの証。正体はカニビルの卵で、ズワイが脱皮してからの時間が長い証拠。
カニは食ってもガニ食うな足の付根にある呼吸器官。魚でいう「えら」のことを
ガニと言います。毒はありませんけど、キチン質で食べても美味しくありませんので、ここは取り去るのが普通です。
何故加熱すると赤くなるかカニの甲羅はアスタキサンチンという色素が蛋白質と結びついています。
加熱するとアスタキサンチンが分離して赤色になります。
食用以外の利用カニの殻(エビも)からグルコサミン、キチン、キトサンが作られます。
あまり書きたくないマイナス面カニやエビの筋肉にはトロポミオシンというタンパク質があり、これがアレルギーを引き起こします。アレルギー症状が出た人は絶対に食べないこと。
日本海産のベニズワイガニからダイオキシン類が検出されたと農林水産省が発表しました。日本で公害が減少しても「大陸」の問題が・・・・
cancer(癌)や canker(潰瘍)の語源。
karkinos(カニ)・karkata(カニ)。姿形からですが、嫌な由来ですね。
ともかく、寒い時期だけの限定味覚。
スカスカじゃない、濃厚で上品なズワイの味を一度は「むしゃぶり」たいですね。
カニの基本 タラバガニ編>>毛ガニ
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