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2008年02月11日

マグロ【鮪】 Thunnus

マグロ【鮪】 Thunnus
スズキ目・サバ科・マグロ属の総称
和名のマグロは眼が真っ黒い事から眼黒が変じたものと云う。

マグロに対する日本人の思い入れは、他の海産物と比較できないと言っても過言ではない。従って国内経済での裾野も広く、仮にマグロが突然消えたとしたら、職を失う日本人の数は想像にあまる多さであろう。
世界の海で漁獲されるマグロの総量の半分近くが日本で消費されている。経済の発展と流通事情の進化もあり、マグロ消費は増大。需要を賄いきれない傾向が続き、日本は船団を組んで世界の海にマグロを求めざるを得ず、世界中の海で日本のマグロ延縄漁船の姿が見られる時期もあった。

しかし増加傾向をたどる需要とは裏腹に、状況は悪化する。
国連海洋法条約による排他的経済水域の制定に連動して1977年に制定されたいわゆる「200海里規制」や中東情勢による原油高騰が大きな要因となり、日本の遠洋漁業自体が衰退期に入り、台湾等からの輸入が大きなウエィトを占める様になる。
1990年代からは、かねてよりアジアの漁船による乱獲が目に余るとしていた欧米の環境保護団体による問題提起がクローズアップされた事が逆風になり、さらにマグロ漁規制に拍車がかかり、台湾もマグロ漁を自粛するしかなく、結果として台湾からの輸入も減少している。

追い討ちをかけるように、欧米そして厖大な消費者を抱える中国で日本食ブームが始まり、「マグロの刺身」は完全に需要と供給に異常が生じている。
もともと高値であったマグロの価値は、文字通りの「海のダイヤ」となってきた。
状況から考えて、値はさらに上がるばかりであると思われる。

マグロの減少により、育てる漁法に切り替わりつつあり、世界各国の海で養殖され始め、日本のマグロ価格を安定さてはいるものの、養殖といってもこれは「蓄養」であり、稚魚を捕獲する訳であるから本質的な解決になっていない。

いかに世界の海が広かろうと、マグロは無限にいる訳ではない。
海洋生物資源と環境はともに保護しなければならないし、世界に課せられた義務でもある。今の状況が加速すれば絶滅すら考えられる。

近畿大学水産研究所が2002年に初めて「完全養殖」に成功。今後が大きく注目される。日本の「まぐろ」を、この先も味わって行けるかどうかの鍵はここにあると考えてもよいのだから、この研究をもっと支援するのが「マグロを求める日本人」の、筋であると言えないだろうか。完全養殖が実用化しても、安定供給に至るまで長い年月がかかるが、その前に絶滅してしまっては話ならないし、それが現実に起きる可能性もあるからである。
なお、俗にいう「カジキマグロ」という魚は存在しない。

マグロとして流通するのは7種類。重要種は5種類ある。
以下、市場価値の高い順に紹介していく。


クロマグロ【黒鮪】
[学] Thunnus thynnus
[英] bluefin tuna , northern bluefin
[仏] thon rouge
[西] atun
[別]まぐろ・ほんまぐろ・しび 
{稚魚;かきのたね 幼魚;めじ・くろめじ 若魚;よこわ・ちゅうぼう}
{地方名;ハツ(関西)・ムツ、ヤツ、ゴンダ(東北)・ヨツワリ、セナガ(静岡)・オオタロ(富山)・ウラマワリガツオ(鹿児島)}
[生息域] 北半球の温帯

クロマグロ.jpg

画像:クロマグロ(Wikipedia)

 
めじ


ヨコワ


 

マグロという語はマグロ属の総称として用いられるが、本来は本種を指している。
マグロ類の中で最高級品として知られ、最大で3m、700sに達する。
名前の通り魚体が黒く、他のマグロ類のように黄が入らないので判別できる。また胸鰭が著しく短いのも特徴。



北半球に広く分布し、中にはインド洋に進入するものもある。
地中海からは、スペイン、イタリア、モロッコなどの沿岸各国から輸入される。
大西洋はアメリカ、カナダの東海岸から輸入され、生は氷詰めで空輸される。
夏に産卵期を迎え、太平洋では台湾から沖縄近海。

大西洋ではメキシコ湾、地中海ではシシリー島近海にて産卵する。その後成魚に近くなると産卵場近海を離れ、遠く大海を渡る「渡洋回遊」をし、数年後に産卵海域に回帰する。

大西洋まぐろとは種が異なるという説もあるが、両者の交流が多いという確認もされたり、まだよく分からない部分が多い。
タイセイヨウクロマグロ【大西洋黒鮪】
[学] Thunnus thynnus
[英] northern bluefin tuna
これと種を分けるには「情報不足」でもある。
外見上の差異もみられない。

2001年の初競りで、国産クロマグロが一尾2000万円の値を付けたのは記憶に新しい。『黒い海のダイヤ』と呼ばれるのも大袈裟ではない。この種のクロマグロは北海道沿岸で漁獲されるものであるが、著しく高品質であるとされ、ある程度の大きさがあれば一尾100万円を下回ることはない。値段的に言って天然のクロマグロは刺身一切れが千円以上する事になる。これよりはるかに安ければ輸入か蓄養か、小型であるか。ここで注意が必要なのは、天然と蓄養の味の差を、消費者が知っているかどうかである。なかには悪質な販売店が無いとも限らないからである。
私の実感で言わせてもらえば、消費者は徐々に「全身トロ」という蓄養の方が美味しいと感じ始めてる様に思う。「エンガワ」や「ハマチ」と同じく、プロの料理人と一般消費者の間に、味覚の差異が出てきているのである。何故なら我々和食料理人は、蓄養のマグロがどうしても鮪の味と思えず、脂臭いだけだからである。それゆえ逆に、天然クロを「酸っぱくて違和感があり不味い」という感想を消費者から聞かされ、驚く。しかし単に高級志向を煽っているだけか、マスコミは、「天然近海ほんまぐろの美味さ」を頻繁に流す。どちらがまことかなのか、いずれにせよ不可思議な現象である。(深く考えれば、現代人は徐々に人工の味覚に馴染んできているのかも知れない。とすれば天然資源枯渇の現在、歓迎すべきことなのであろうか)



ミナミマグロ【南鮪】
[学] Thunnus maccoyii
[英] southern bluefin tuna
[仏] thon roueg du sud
[西] atun del sur
[別] インドマグロ・ゴウシュウマグロ・バチマグロ

ミナミマグロ.jpg


画像:ミナミマグロ(Wikipedia)

南半球にだけ分布し、北半球のクロマグロと大洋を棲み分けている。
体長2.2m、体重160sにまでなる。
オーストラリア北西で産卵し、成魚になると亜南極水海域を回遊する。

外見上は非常にクロマグロに似るも、尾部分にある小離ヒレなどが黄色味を帯びるので、クロマグロと判別できる。



肉質は酸味が強いが鉄分が豊富な為であり、それゆえ味の深い赤身は、トロ部分との境界線がはっきりしており、またトロも分厚い。(血が多く、発色も鮮やかである反面、色変わりが大変に早いという、商品としては大きなマイナス点があるが、肉質の美味さ品質の高さがそれを充分に相殺する)

昭和30代入荷が増え始めた頃は、メバチとホンマグロのあいのこなどと言われたが、先にあげた特徴により、ことに寿司店で好まれて使われ、昭和40年代には輸入量が急激に増大し、マグロはインドが良いという評価が定着。将来も寿司種としてマグロの主流を安定して占め続けるであろうと考えられていた。
しかし二十年ほど前から輸入が減り始め、資源保護が懸念されたが、「みなみまぐろ保護条約」が制定された時期にはすでに乱獲で漁獲量が激減しており、海洋資源の脆さ、有限さを感じさせた魚である。

天然ミナミマグロの身。白い筋状のサシが、広く大洋を泳ぎ回る天然の特徴。


オーストラリアで蓄養されたミナミマグロの身。脂が多く歓迎されている。



メバチ【目鉢】
[学] Thunnus obesus
[英] bigeye tuna
[仏] thon obese
[別] バチ・メッパチ・ダルマ・メブト・メバチマグロ
{若魚;ダルマメジ(Bigeye tuna)}
{地方名;ヤワラ(三重)・ソマカツオ(大阪)・トックリバツ(高知)・ヒラシビ(宮崎)}

メバチ.jpg



画像:メバチマグロ(Wikipedia)


目が大きく頭部も大きいのが特徴。
体長2.2m、体重160sに達する。胸鰭は第二背鰭を越すほど長い。
全世界の温暖海域に生息し、まだ資源量が豊富であるとされ、世界で約60万t前後の漁獲量がある。太平洋のメバチは赤道海域で周年産卵する。従って、夏場が旬であったり、漁獲地によって異なる旬を持つ。



刺身やすし種としての価値はクロマグロ、ミナミマグロに次いで三番目に位置する。肉は鮮紅色で、少し柔らかいが美味である。どちらかというと関東で好まれる。


クロやインドに比べ色の持ちが良いので扱いやすい。
「メバチマグロの大トロ」という表示を見かけるが、筋が固く大味で、料理人にとってはメバチに大トロは存在しない。クロとインドの脂身が大トロの名に値すると言える。



キハダ【黄肌】
[学] Thunnus albacares
[英] yellowfin tuna
[仏] albacore
[西] rabil
[別] キワダ・ハダ・ハダマグロ・キヒレ・キンヒレ・キハタ{幼魚;キメジ}
{西日本(関西以南);シビ・ホンシビ・マシビ・オオイトシビ・ハツ・マバツ・ホンバツ}

キハダ.jpg



画像:キハダマグロ(Wikipedia)


最大でも体長2.1m、体重175s。
体側は全体的に黄色味が強く、鎌形の第二背びれと尻ヒレが成長とともに著しく長くなり黄金色になる。キンヒレの名の由縁。
『漢字は肌だが、古語でヒレの事を「はた」といい、それが名の由来』



全世界の温帯海域に生息するが、日本海と地中海にはいない。
産卵は夏季に熱帯海域で行われ、旬は夏場である。
資源量は多く、世界で年間約130万tの漁獲量。

関西以南(中部含む)ではバチやクロマグロよりも好まれており、ゆえに上記のように主たるマグロという意味の西日本特有の呼び名が多い。
身の色はピンクで、赤身の発色は弱い桃白色だが、身崩れがなくしっかりした身は品の良いあっありとした味を楽しめる。この特徴も関西人好みと言えよう。





ビンナガ【鬢長】
[学] Thunnus alalunga
[英] albacore tuna
[仏] germon
[西] atun blanco
[別] ビンチョウ・トンボ・カンタロウ

ビンナガ.jpg



画像:ビンナガマグロ(Wikipedia)


全世界の温帯海域に生息し、体長1.4m、体重40sに達する。日本海では見られない。マグロ類の中では珍しく冷たい水を好む。夏季に暖海で産卵する。
極端に長い胸ヒレが特徴で、三番目の小離ビレまで達する。この長い胸ビレが名の由来で、泳ぐ姿を見る機会が多い漁業従事者はトンボと呼ぶ。


ビンチョウは身に赤身が無いことから、近年までマグロとして扱われなかった。
味わいが鶏肉に似ていることでシーチキンとして欧米人には好まれた為、缶詰など加工に回されるのが殆どであった。寿司ネタとしても使用することは無かったが、回転寿司が「ビントロ」と称して使い、それが広まったことから生食も普及している。



しかし普通の寿司屋ではあまり使用しない。生の状態だと非常に身が脆いせいもある。従ってほとんどが冷凍状態で流通している。


身の色は白が強い淡桃色で、赤身のない白い物が「ビントロ」としては上物である。身質が弱いせいもあるが、完全解凍するより半凍り状態の方が美味い。





クロヒレマグロ【黒鰭鮪】
[学] Thunnus atlanticus
[英] blackfin tuna
画像:クロヒレマグロ/タイセイヨウマグロ(Wikipedia)

タイセイヨウマグロと呼ばれもするが、大西洋のクロマグロと混同するのでクロヒレマグロの呼び名が良いと思う。
体長1m前後、体重20sと、鮪の仲間では小型種である。
西部大西洋に生息し、同じサイズのメバチと外見も肉質も似ている。
メバチの小離ビレが黄色のに対し、本種は黒いので判別できる。


コシナガ

[学] Thunnus tonggol 
[英] longtail tuna
画像:コシナガ(Wikipedia)

体長1.3m、体重35sの小型種。
インド洋、西太平洋の暖海に分布しており、夏季に西日本まで回遊してくる。キハダとメバチの中間くらいの肉質である。


近縁種

イソマグロ
学;Gymnosarda unicolor
英;dog-toothed . white-flesh tuna
体長1.5m前後、暖海に分布し、珊瑚礁域を回遊。
肉質は脂肪が少なく淡白。

ガストロ
英:scaleb tuna
別;ウロコマグロ・コケゴロモ
ミナミマグロと混獲され市場にでる。ウロコが特徴でマグロの類には見えないが、白身がかった身質は、柔らかいがマグロに似る。


成分値(クロマグロ100gあたり)
エネルギー125kcal(523kJ)
水分70.4gたんぱく質26.4g炭水化物0.1g脂質1.4g
無機質 ビタミン 脂肪酸 
マンガン0.01mgビタミンA83μg飽和0.25g
0.04mgビタミンD5μg一価不飽和0.30g
亜鉛0.4mgビタミンE0.8mg多価不飽和0.19g
1.1mgビタミンB10.01mg  
リン270mgビタミンB20.05mg  
マグネシウム45mgナイアシン14.2mg  
カルシウム5mgビタミンB60.85mg  
カリウム380mgビタミンB121.3μg  
ナトリウム49mg葉酸8μg  
  パントテン酸0.41mg  
 
コルステロール50mg 食塩相当量0.1g


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マグロ画像元一覧






posted by 魚山人 at 06:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 厳選食材 | 魚山

【イカ】烏賊

【イカ】烏賊

英 squids, cuttlefishes
仏 calmar, seiche
伊 calamaro
西 calamar

全世界で500種、日本近海で約130種が生息。
数センチから20メートルを超すものまで多様である。

食用としてはタコと同様不吉な生き物として食用としない国が多いこともあり(ユダヤ教などは食用を禁忌)、日本は全生産量の6割を消費しており当然世界第一位。
マグロ、エビと並んで最重要水産資源である。
低カロリーで良質のタンパク源でもあり余すことなく利用され、刺身を筆頭に繊細な食味は日本人の食感によくマッチする。
かつてはコルステロールの害が言われたが、タウリンが豊富に含まれている事が分かった現在、その心配は消え、高タンパク低エネルギーのイカは、ダイエット志向の現代人に最適な食材かもしれない。

イカの語源は諸説ありますが正確には、不明です。
ただ漢字の烏賊についての由来は、浮遊するイカを食べようとするカラスにとって逆襲してくるイカは賊のような生き物という意味の中国の言い伝えからだとされています。

コウイカとツツイカの仲間の二種に大別でき、スルメイカ、コウイカ、アオリイカ、ヤリイカ等があります。(下段に個別紹介)

スルメイカ【鯣烏賊】
ツツイカ目アカイカ科

[学名] Todarodes pacificus
[英]  japanese common(flying) squid
[別] スルメ、マイカ、ムギイカ、ツツイカ、マツイカ、ガンガゼ、トンキュウ

北海道から九州南端に生息。
春から晩秋にかけて各地で水揚げされる。
夏場が旬と言える。

japanese_commonsquid.jpg 
日本ではイカ類で最も漁獲が多く、年間30万t前後(戦後の最盛期は70万t)の漁獲量。

東シナ海から九州近海に産卵場があり、黒潮や対馬暖流に乗って成長しながら北上する。冬の初め頃交接して、産卵のため再び南下、日本列島を南北に往復回遊する事になる。
三陸や北海道太平洋側で捕獲されるのは冬に生まれた群
日本海沖で捕獲されるのは秋に生まれた群が多い。

春から初夏にかけて麦の穂が実る時期に獲れるスルメをムギイカと呼ぶ地方もある。
需要を賄いきれず、下記の同じアカイカ科のイカを代用に使うケースもある。

アカイカ【赤烏賊】
ツツイカ目アカイカ科
[英] neon flying squid
〔別〕 ムラサキイカ、バカイカ、クロイカ、メダマ、ゴウドウイカ
50pにもなる大型で外見はスルメイカに似ているが、第3の腕にタコ様に広い幕が付いているので見分けられる。
熱帯性のイカで、北上してくる夏場が漁の最盛期。
流し網で大量に獲られていたが、国際漁業協定でながし網が禁止されて以降は漁獲が激減している。

【アルゼンチンイレックス】
アカイカ科
[英] Argentine shortfin squid
〔別〕 マツイカ
これもスルメイカと酷似しているが、アルゼンチン沖産である。
80年代に日本のトロール漁船が開拓したが、現在は減少傾向にある。

【ニュージーランドスルメイカ】
アカイカ科
[英] Wellington flying squid
〔別〕 ミナミスルメイカ
ニュージーランド沖産だが、ほとんどスルメイカと区別がつかないため、冷凍の物がスルメイカの名で販売されていたりする。
触椀などに多少の違いは見られるものの、刺身になると判別不可能である。3万t前後が国内で消費されている。

他に【すじいか】(兵長いか)というイカもスルメイカに似るが、水揚げは少量であり使用される機会はあまり無い。

スルメイカは、刺身、フライ、煮物、干物、利用は幅広く、年齢層に関係なく日本人に好まれている海産物である。
スルメイカを成型して干して作るイカ徳利まである。

rtutyuyttfjft.jpg


熱燗を飲みながら少しずつちぎって食べる趣のある逸品。
その他塩辛も有名。

さばき方など。

成分値(するめいか100gあたり)
エネルギー88kcal(368kJ)
水分79.0gたんぱく質18.1g炭水化物0.2g脂質1.2g
無機質 ビタミン 脂肪酸 
マンガン0.01mgビタミンA13μg飽和0.16g
0.34mgビタミンC1mg一価不飽和0.05g
亜鉛1.5mgビタミンE2.1mg多価不飽和0.29g
0.1mgビタミンB10.05mg  
リン250mgビタミンB20.04mg  
マグネシウム54mgナイアシン4.2mg  
カルシウム14mgビタミンB60.20mg  
カリウム270mgビタミンB126.5mg  
ナトリウム300mg葉酸5μg  
  パントテン酸0.54mg  
 
コルステロール270mg 食塩相当量0.8g



ヤリイカ【槍烏賊】
ツツイカ目ジンドウイカ科
[学名] Loligo bleekeri
[英] spear squid
[仏] calmar
〔別〕 ササイカ、テッポウ、シャクハチ、サヤナガ、テナシ、ゲンカイビケン

北海道以南に生息。
産卵前の冬から早春が旬。

spear_squid.jpg
 
槍の穂先に似た姿からの名である。

5月〜7月頃北海道南部以南の全国で産卵の為に沿岸に寄って来る。
沿岸漁の為に生きたままの水揚げが多く、冷凍よりも新鮮な生が出回る傾向。

身は薄いもののスルメイカより味に甘みと品があり、寿司種として人気がある。
これを干したスルメは「笹するめ」、「竹葉するめ」の名で高値である。

栄養値はスルメイカとほとんど同じ。

ケンサキイカ【剣先烏賊】
ツツイカ目ジンドウイカ科
[学名] Loligo edulis
[英] swordtip squid
〔別〕 シロイカ、アカイカ、ゴトウイカ、メヒカリ、ブドウイカ、マルイカ

三浦半島以南に生息。
ヤリイカと反対に産卵期は夏場。
ヤリイカの産卵が終了した夏が旬。

swordtip_squid.jpg
 

東京市場ではアカイカ、山陰ではシロイカ、標準和名あかいか、市場名はムラサキイカという混乱振りで紛らわしいイカですが、ヤリイカよりも身が厚く、かなり美味なイカです。
これを干したスルメは「一番するめ」と呼ばれスルメの極上品とされる。
形も良いので結納などの縁起物に使われます。
姿はヤリイカと似ているが、ヤリよりも大きな触椀(下足)で判別できる。

東南アジアから日本にかけて分布し、捕獲される地方によってその姿が微妙に変化する。また水揚げ直後は紅い体色が一日後には真っ白になる。ために地方名が多く、紛らわしくなる要因。


ホタルイカ【蛍烏賊】
ツツイカ目ホタルイカモドキ科
〔学名〕 Watasenia scintillans
〔英〕 spaarkling enop squid
〔別〕 コイカ、マツイカ

体長6p前後の小さなイカで発光する特徴がある。
命名は明治の渡瀬庄三郎博士によるもの。
日本海全域、太平洋側では北海道から土佐湾まで分布する。
普段は深海に住み、春の産卵期に沿岸に近づき捕獲される。
よって旬は当然春である。
富山湾の大群集は特別で、天然記念物に指定されるほど。

spaarkling_enop_squid.jpg


内臓ごと丸ごと食べるホタルイカの特性は、その栄養素にある。
ビタミンAやEなど自然には摂り難いものも豊富で、ミネラルやアミノ酸のバランスも良い。
浜で茹であげる「桜煮」が本来の姿であったが、最近は生食の旨さが広まっている。栄養的には申し分ないが、イカには寄生虫の心配がある。
しかし寄生虫は殆どの海産物に共通の確率で存在しえるのであるから、過敏に反応しても無意味であるとも言える。
生食でも、ポン酢漬けや生きたまま醤油に漬ける「沖漬け」ならば、まず「あたる」心配は無いと思う。
*寄生虫が気になる方は、ボイルするか、完全冷凍(家庭用冷蔵庫なら1週間)をおすすめする。


アオリイカ【障泥烏賊】
ツツイカ目ジンドウイカ科
〔学名〕 Sepiotenthis lessoniana
〔英〕 big fin reef squid
〔別〕 クツイカ、ミズイカ、モイカ、バショウイカ、シロイカ、イズイカ、アキイカ

北海道南部が北限で西太平洋からインド洋まで広く分布している。
初夏に産卵のために沿岸に寄って来るのを釣る。
夏が旬。この時期雌が抱く卵も美味。
よい値で取引される高級イカで、イカ類で最も美味だとも言われる。

 


さばき方など。

コウイカ類

約80種が存在するが、日本近海に分布するのは20種ほど。
特徴は外套(胴体)の背に船形の石灰質の固い甲をもつ事である。
生食が旨いイカで、刺身や寿司種として好まれるが、近海物では当然足りず、大半は輸入である。


コウイカ【甲烏賊】
コウイカ目コウイカ科
〔学名〕 Sepia esculenta
〔英〕 golden cuttlefish
〔仏〕 seiche
〔中〕 墨魚烏賊
〔別〕 スミイカ、ハリイカ、マイカ

西日本ではポピュラーなイカで肉厚で甘みがある。
房総半島から南に生息。
近海物の産卵期は2月〜4月、従って旬は冬から早春。


他のイカ同様タウリンが豊富で、微量だがミネラルやビタミンのバランスも良い。
またアミノ酸も多く、アラニン、グリシン、プロリン、などが旨味成分を助けて特有の甘みを作り出している。
ただ高尿酸血症の人はプリン体が多いので食べすぎに注意。

近縁種

【こぶしめ】
コウイカ科
〔英〕 broadclub cuttlefish
〔別〕 クブシメ、クブシミ、モンゴウイカ
南西諸島以南の熱帯太平洋に生息。
珊瑚礁に住む世界最大のコウイカ。
沖縄や奄美では漁師が素もぐりで捕獲したりする。
旬は冬から産卵の春。
本土の市場に出る事は殆ど無く、産地で消費される。

【カミナリイカ】雷烏賊
コウイカ科
〔英〕 Kisslip cuttlefish 〔別〕 コブイカ、モンゴイカ、ギッチョイカ、マルイチ
現在はあらゆる種の甲イカを「モンゴイカ」と呼ぶが、本来の紋甲烏賊は本種である。(地方名にすぎないが)
江戸前寿司の「モンゴ」である。
背中に家紋の様な斑紋がある事から。
高価になって品薄でもあるから他種も「モンゴ」と呼び始めたらしい。
この業界(水産流通全体)の悪しき慣習である。

房総半島以南に生息。
冬から春が旬。

【ヨーロッパコウイカ】
コウイカ科
〔英〕Sepia officinalis
地中海からスカンジナビア、アフリカ西海岸に産し、スペインやイタリアなどの沿岸諸国で重要な漁業資源でもある。
ヨーロッパでも食用として使用している。
昔は遠洋トロール漁船で大量に水揚げされもしたが、経済水域設定で現在日本は輸入するしかない状況。
日本では、いわゆる「ムキコンゴ」、「冷凍モンゴ」として販売されている。

他に【テナガコウイカ】、【シリヤケイカ】などもいる。
成分値(こういか100gあたり)
エネルギー66kcal(276kJ)
水分83.4gたんぱく質14.9g炭水化物0.1g脂質0.3g
無機質 ビタミン 脂肪酸 
マンガン0.02mgビタミンA5μg飽和 
0.45mgビタミンD 一価不飽和 
亜鉛0.8mgビタミンE2.2mg多価不飽和 
0.1mgビタミンB10.03mg  
リン170mgビタミンB20.05mg  
マグネシウム48mgナイアシン1.3mg  
カルシウム17mgビタミンB60.06mg  
カリウム220mgビタミンB121.4μg  
ナトリウム280mg葉酸3μg  
  パントテン酸0.52mg  
 
コルステロール210mg 食塩相当量0.7g


さばき方など


大型種

ソデイカ【袖烏賊】
ツツイカ目ソデイカ科
〔学名〕 Thysanoteuthis rhombus
〔英〕 diaondack squid
〔別〕オオトビイカ、ウルシイカ、タルイカ、セイイカ、アカイカ、ウシイカ

体長1メートル、重さは20キロにもなる大型イカ。
世界の温・熱帯海域に生息。
日本では伊豆以南から沖縄にかけて漁がされている。
身が分厚く、刺身でも食べられる。
旬は秋。

diaondack_squid.jpg
 



クジラと戦う巨大イカの姿は決して伝説のみではない。
マッコウクジラの胃から巨大な大王イカが出る事も実際にあるという。
今年(2007年02月)ニュージーランドで、体長10メートル、体重450キロのダイオウホウズキイカが捕獲されたが、これはダイオウイカとは別属だった。
ツツイカ目ヤリイカ亜目ダイオウイカ科ダイオウイカ属は8種ほどいるとされるが、詳しい事はまだなにも分かっていない。最大20mになるともいう。

日本では山陰や五島列島で 【入道烏賊】が稀に捕獲されるが、これはツメイカ科らしい。体長2メートルで食用として不味いという。



イカ画像(販売店)
タグ:烏賊





posted by 魚山人 at 05:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 厳選食材 | 魚山

【アユ】鮎

【アユ】鮎

キュリウオ目・アユ科
[学名] Plecoglossus altivelis altivelis
[別]
香魚・年魚
(あい・おいのうお・かつらん・やじ・ひうお・しろいお・あいなご)
(英)ayu,・ayu trout・sweetfish,
(仏)truite ayu

天然あゆ

ayu011.jpg 

養殖あゆ
yousyokuayu.jpg




漁期は6月〜10と定められ、それ以外は禁漁。


主な産地

北海道南部から日本各地に分布。奄美大島と沖縄に分布するのはリュウキュウアユ(Plecoglossus altivelis ryukyuensis )で本州産と遺伝的にやや異なる別亜種。
海外では東アジア一帯に分布。


生態

秋に河川の中・下流域で産卵し、海で育った稚魚は春に河川を遡上(両側回遊)、翌年産卵し生涯を終える「年魚」。河川の中・上流域に定着した後は、侵入する個体を体当たりで追い払う「縄張り行動」をする。(この習性を利用したのが友釣りである)琵琶湖産はこの縄張り性が特に強い。

特徴

淡水産の漁業資源として重要な魚で、年間約2万tが流通するが、その大半は養殖。資源管理のため、全国河川で放流も盛んである。放流の種苗は琵琶湖産が多くを占める。
黄色っぽい青緑色の体で、全体的にはオレンジ色から黄色。
胸鰭後方の体側に鮮やかな黄色い斑点がある。
大型は30pを超えるが、通常は20p程。
冬になり水温が下がると体色は赤色っぽくなる。


雄と雌


メスの尾ヒレは、オスに比して丸く大きい。
死後、硬直が進むと、オスは青黒くなり、体が締まって体色が青黒くなる。
メスは逆に体が柔らかくなり体色は黄色味が強くなる。

語源

「あゆる」(川を下る)の古語から、また奈良時代に占いに使われたことからこの漢字になったと云われる。
その美しく清々しい姿から、絵画や歌の題材として多用されている。


食味

「キュリウオ」、「香魚」の名がある通り、釣り立てはきゅうりの香りがする。遡上のときに食べる、河川の底石に付着する「珪藻類」の為である。
養殖鮎はこの香気がほとんど無く、脂肪量は約3倍もあり脂っぽい。
近年は餌や養殖池を改良し、「半天然」、「天然仕上げ」、「天然仕立て」等の名で色や形がより天然に近いものが生産されている。
京都の料亭などで、琵琶湖産の養殖用稚魚を放つ際に、弱った稚魚を釜ゆでしたものが隠れた珍味として出される。

料理・調理

背越しに切った刺身、流水で締めた洗い、煮浸し、唐揚げ、素焼きにして甘露煮、あゆ飯、天ぷら、開いて干物、色々あるが、苔むしたような鮎の香味を堪能するなら塩焼きにつきる。
砂袋以外の内臓は全て食べられるので、調理はウロコをすくだけ。
よい塩とタデ酢があれば申し分ない。

栄養

脂肪分が多いと言っても、養殖鮎の高めのエネルギーを心配する必要は無い。ビタミンDやビタミンEなどの必須不飽和脂肪酸が多いからである。
血液血管環境を改善するDHAやIPAなども豊富。
カルシウム源としても良好な魚である。
内臓が特にミネラル・ビタミンが豊富なので、内臓ごと食べたい。

成分値(天然鮎100gあたり)
エネルギー100?(418kJ)
水分77.7gたんぱく質18.3g炭水化物0.1g脂質2.4g
無機質 ビタミン 脂肪酸 
マンガン0.16mgビタミンA35μg飽和0.64g
0.06mgビタミンD1μg一価不飽和0.61g
亜鉛0.8mgビタミンE1.2mg多価不飽和0.54g
0.9mgビタミンB10.13mg  
リン310mgビタミンB20.15mg  
マグネシウム24mgナイアシン3.1mg  
カルシウム270mgビタミンB60.17mg  
カリウム370mgビタミンB1210.3mg  
ナトリウム70mg葉酸27μg  
  パントテン酸0.67mg  
 
コルステロール83mg 食塩相当量0.2g


入手方法

養殖は全国の小売店で容易に入手出来るが、天然は地元で消費されたり、高級料理屋直行というケースが多く、入手困難。
デパートの催事なら可能性は濃い。

主だったネット通販での天然鮎

  蓼酢
鮎の塩焼きや、刺身はタデ酢で食べるのが本格的。

作り方
  
鮎蓼


ウルカ

鮎の内臓を塩辛にしたものを「うるか」と総称する。

卵巣の「子うるか」

内臓の「苦うるか」

身をまぜる「切りうるか」(身うるか)
精巣の「白うるか」


タグ:アユ 天然鮎





posted by 魚山人 at 05:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 厳選食材 | 魚山

2006年08月17日

厳選食材

和食の食材は日本の国土から産する食品と、日本固有の四季うつろう自然と、分離不可能であります
従いまして、いかに世界に和食が拡散しようと、その真髄は日本国内でしか味わえないと信じております。日本人がいつまでも美しい日本独特の自然を守っていくことをひたすら願うのみです。
食材そのものが日本料理なのですから

和食に使う食材など>>




料理の基本 

極上真昆布


本枯れ鰹節

現時点で最も推奨できる自然海塩


特徴
2000年2月にはミネラル14種類含有世界一でギネスブックに認定。
その後2003年3月、21種類のミネラルを検出ギネスの記録を更新。
■21種のミネラルを含有している(ギネス記録を超えています)
■「京都 吉兆」や料理の鉄人石鍋裕シェフも絶賛
■沖縄サミット首里晩餐会の料理に使用された
■小学校の教科書にも掲載


作り方
常温瞬間空中結晶製塩法
海水を霧状に噴霧し、温風を当てる事で水分だけを蒸発させ、ミネラル成分は全て瞬間結晶する特許製法により貴重な極微量ミネラルを含ませる事ができました。海水中に含まれる全てのミネラルを結晶化する事が出来ます。
従来の製法では、海水中に多く溶けている塩分は早く結晶になりますが、微量・極微量ミネラルは量が少なく、最後まで海水に溶け残っており結晶化する事ができません。このミネラル群は脱水され塩には含まれません。その為、塩の純度が高く、ミネラルの乏しい自然塩となってしまうのです。
全てのミネラルは落下・堆積し、海のままのお塩が出来ます


成分
これまで脱水されてしまっていた微量・極微量ミネラルも、全て結晶化する事ができます。海水そのままのバランスですので、塩分が73%と、食塩※と比べて25%以上低くなっています。
その為、塩味がやわらかく、豊富に含まれるミネラル成分の甘味、酸味、苦味のバランスが素材の旨みを引き出し、毎日の食事で不足しがちなミネラルを美味しく手軽に補給できます。
※五訂日本食品標準成分表より


価格や購入先


板前エッセイ  塩の話

タグ:和食食材





posted by 魚山人 at 03:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 厳選食材 | 魚山
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